ナルコレプシー
2013/09/17更新
ナルコレプシーは1日に何回も我慢できない急な眠気に襲われ、5〜20分ほど眠ってしまう病気です。人と話しているときでも、自転車に乗っているときでも、テスト中でも状況に関係なく寝入ってしまいます。僅かな刺激で目が覚め普通の状態に戻るので、単なる居眠りと誤解されることも多いです。会社で怠け者扱いされたり、運転中に思わぬ事故につながることもあります。
日本では約600人に1人が発症し、約20万人の患者がいるといわれています。
症状
- 日中の過度の眠気
- 入眠直後にレム睡眠に入る
- 昼寝の際に悪夢を見る
- 情動脱力発作
- 入眠時幻覚
- 睡眠麻痺
- 夜間熟眠障害
- 睡眠時遊行症
情動脱力発作
怒ったり笑ったり驚いたときなど感情の起伏で体の力が抜ける症状です。数秒で回復します。ひざや腰の力が抜けることが多いのですが、あごの力が抜けてろれつの回らなくなる人や全身の力が抜けて床に崩れ落ちる人もいます。
入眠時幻覚
寝入る際に幻覚を見るという症状です。
睡眠麻痺
睡眠麻痺はナルコレプシーによって起こる症状の一つです。
強い不安に襲われ、逃げ出そうとしても体が動かない、声を出そうとしても出せません。脳が覚醒しているに体が眠っている状態で、「金縛り」と言われているものです。睡眠麻痺になると、体を思うように動かすことができず一過性のパニック状態になる人もいます。
睡眠時遊行症
睡眠時遊行症もナルコレプシーによって起こる症状の一つです。半ば眠った状態で、普段行っていることを無意識に行います。行動内容は覚えていません。小児期に多い症状です。「夢遊病」といわれているものです。
原因
覚醒を促すオレキシンという神経伝達物質の異常が関係していることが分かっています。オレキシンが不足すると急に眠くなったり、筋肉が働かなくなって脱力したりします。
治療
日中の眠気を覚ますためにモダフィニルなどの中枢神経賦活剤を用います。また、脱力発作を予防するために、三環系抗うつ薬を用いることが多いです。
医療法はほぼ確立されているので、心当たりのある方は、専門医で受診しましょう。